仏説無常経
世の中は常に有為転変です。そして常に流れて不動のものはない。
人も然り。老病死苦から逃れる人は誰一人としてない。人間の最大の
悩み、これが老病死苦である。これを説いたのが仏説無常経である。
仏教を志す人は、無常を知るべし。仏の教えとは、無常を知る事に尽きる。
一時の栄華も一夜の夢に過ぎない。人はその道理を知ってはいても、一時の
栄華を求めてやまない。人は何の為に諍い、対立し、殺し合うのか?
すべては一時の栄華の為だ。死に瀕して人は何を思うのか?今までして来た
事を死に瀕してどう思うか?悪事を重ねてきた人は、死の恐怖と来世への
不安の二重苦に苛まれる。何のために生きて来たのか?その時に後悔しても、
後戻りは出来ない。悪の種を蒔いてきた人は三世に渡り、その悪の種から生え
出す悪の果実を刈り取らねばならない運命を背負い続ける事になる。
嘘はすべての悪の始まりで、悪を何重にも重ねる契機となる。老病死の死後も
悪に苛まれて三世に渡り償い続ける事になる。それでもやめられない悪事を
人は平然と行い、平然とウソをつく。一時の栄華の為に。