生きる事とは?

人の一生は既に生まれ落ちた時から決まっている。

人が一生のうちに食べる事が出来る食量は既に決まっているから、それ以上を求めても

無駄である。それ以下でも不平を思わずに過ごす事が大切である。以上以下はその人が

決める事ではないので、本人はそれに従って生きてゆくしかない。

 

人の寿命はすでに決まっているから、それを越えて長生きしたいという願望を持っても

満たされる事はない。早く死にたいと願っても時期が来ない限り死ぬことは許されない。

 

言葉を発する時には、衝動的に物事を言ってはならない。その前に三回、その言いたい

言葉を噛みしめて反省する余裕が必要である。その内容は自他共に利益となる言動なら

ば発しても良いが、そうでないときは喋ってはならない。

 

人は元々から様々な執着心を背負っているものだが、それを改める習慣を重ねるにつれて人は大きく成長し、人柄も変わってくる。その行動が人を変える。

 

物事の成就には、終わりはない、これで物事を極めたと自負しても、そこで止めてしまえば、それ以上の進展はない。

 

人の寿命には限りがある、故に与えられた時間を無駄に過ごす事は、我が命を無駄にする事に通じる。一刻毎に確実に死に近づいているから、人の命は常に同じ状態で過ごせる事とはならない。健康を気遣ってばかりいては、今なすべき事を失ってしまう。

 

人の多くは自分が他人よりも良い人だと思われたいとの願望を持つものだから、その心根がある限りは、本当に良い人にはなれない。

 

人を叱る際、自分の立場を考えてから、叱るか黙認するかを判断すればよい。自分の道理は所詮、自分しか判らないので、他人に押し付けても無駄である。他人には他人の道理があるし、それを自分が理解できるか?考え直してからモノを言えばよい。

 

病気は誰にでも付き纏う厄介なものだが、病気を恐れていては何も出来ないし、やれるべき事も、病気を理由に放棄する人が多いが、人の寿命は病気で短縮されるべきものではない。

 

正法眼蔵随聞記よりの抜粋

 

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